大人の韓国留学 50を過ぎた私の留学の旅思い出日記

50代で1年間韓国の大学の語学堂に語学留学しました。帰国してしばらく経ちますがあの時の気持ちを残しておきたくて書いている思い出日記です。

留学生活のおとも ー物干しロープー

狭いコシウォンの部屋でどうやって洗濯物を乾かすのか? 

乾燥機があるかもしれないし、もしかして屋上で干せるのかも。あ、ドラマみたいに屋上に縁台あったりして! そんな想像を膨らませながらも結局あまり確信のないまま渡韓することになりました。

ただ、少なくともハンガーはいくつか必要だろうと思ってスーツケースに入れてみたのですが、あの三角とフックの部分が邪魔になって他の荷物が全く入らなくなってしまいます。かといって省スペースの針金ハンガーは肩に跡がつくので好きではありません。そういうわけで、いくら家にたくさんあるとはいえ、持って行くのは諦めて現地調達することにしました。

その代わりに持参したのが、物干しロープです。ナイロン製で巾があり、両端に金属のS字フックがついていて、4、5mで1,000円程度のものをamazonで調達しました。自宅では使ったことのない代物でしたが、大好きな絵本『せんたくかあちゃん』を思い出し、ロープさえあればなんとかなるのではないかと考えたのです。軽くて場所も取らないので荷物に潜り込ませました。

行ってみるとコシウォンには1フロア20数部屋にドラム式の洗濯機が1台。乾燥機も屋上も無かったけれど、粉洗剤が無料で使えるようになっていました。では、どこに干せというのでしょうか? 洗濯室に室内用の簡易物干し台がいくつか置いてあり、各自それを自分の部屋に持って行って干すということらしく、ハンガーも幸い誰かが置いて行ったものを自由に使えるようになっていました。

しかし部屋はとても狭いため廊下に出している人もいて、はっきりいって通行の邪魔なのですが、そこは互いに事情を知る身。引っかけて倒さないようカニさん歩きをするようにしていました。

それからもう一つ、廊下の突き当りに突っ張り棒が上下に2本固定してあり、運よく空いていればそこにも干すこともできました。跳ね上げ式窓の10㎝ほどの隙間から風が少し入る程度なのですが、日もあたる特等席なのでした。

 

残念なことに私が住んでいたのは男女共用のフロアでしたので、特等席を尻目におばさんは自ら慎む=自粛して常に部屋の中に干すことにしたのです。

そこで役に立ったのが物干しロープです。室内を見回してみると、何の目的か、ねじ釘がコンクリートの壁にいくつか打ち込まれていました。そこにロープをVの字に引っかけてみると、2、3日分の洗濯物はもちろん、掛け布団やベッド用のシーツまで広げて干すことができるせんたくかあちゃん大満足の景色ができあがったのです。

ちなみに洗うにも乾かすにもかさばって時間のかかるバスタオルは持参せず、普通サイズのタオル数枚で代用していました。しかし韓国では狭い部屋に洗濯物を干していても全く湿っぽくならず、それがいつも不思議で、あれならバスタオルもいけたかもと今なら思います。空気が乾いているからなのでしょうか。

この季節、乾ききらないバスタオルの端っこを指先で触るたび、コシウォンの物干し光景を思い出して懐かしんでいます。

 

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