大人の韓国留学 50を過ぎた私の留学の旅思い出日記

50代で1年間韓国の大学の語学堂に語学留学しました。帰国してしばらく経ちますがあの時の気持ちを残しておきたくて書いている思い出日記です。

留学生活の思い出―文化体験2―

6級の時の文化体験授業は韓国料理。

場所は梨花女子大学の目の前のビルにあるキッチンスタジオでした。5級の時の国楽院に続き、通っていた語学堂からは少し距離がありましたが、クラスメイト達と出かけていくのは遠足のようで楽しかったのを思い出しています。

最寄りの駅から大学までの通りは、女子大学の周辺ということもあるのかファッションのお店や飲食店がひしめいて華やかだっただろう雰囲気を醸し出していました。過去形になっているのは、コロナ禍の影響で閉店したお店が多く、通りに面した巨大なガラスの壁から空っぽになったお店の中が寂し気に見えていたから。今はまた活気を取り戻しているのかもしれません。

がらんとした通りを見ながら、20代前半の日本人のクラスメイトが「むかし来たときと全然違う~全部つぶれちゃったんだ…」と言ったのは衝撃でした。“むかし”っていつ? そんな昔にこういうところに遊びに来てたの?? 聞いてみると、”中学生”のとき韓国旅行に来て、いとこのお姉さんやその知り合いの韓国の女の子と一緒にこの通りで買い物をした。洋服やスイーツのお店がいっぱいあって、すごく楽しかったのだそうです。へぇー、そういう時代なんだなぁ、旅行に来て出かけていくところもおばさんとは全然違うんだなぁと思ったのでした。これまでの私の旅行プランにこの女子大前の通りが入っていたことは一度もありませんから。

そんな話をしながらキッチンスタジオに到着し、お揃いのエプロンをつけて、2クラス25人ほどの学生たちと一緒にチャプチェとジョン(チヂミ)を習いました。講師は外国人向け体験料理教室には慣れた様子で、今日は対象が語学堂の生徒ということもあるのかわかりやすい韓国語に時々英単語も織り交ぜて作り方を説明してくれました。

 

今日ばかりは私にとって難しいことは何ひとつありません。主婦歴ん十年。内心、何か特別な隠し味とかコツが聞けるかもと期待していましたが、残念ながらそのようなものはなく、日本でレシピを見ながら見よう見まねで作っていたものと変わりありませんでした。むしろチャプチェの味付け用には醤油の量が多すぎじゃないかと思っていたら、案の定すごくしょっぱくて、他の子たちにも大不評。なんだ…私の“チャプチェもどき”の方が断然おいしいじゃないのと心の中で呟きながら、韓国料理体験はちょっと残念な感じで終わりました。

そういうわけで2回の体験学習で学んだことは、文化の体験そのものよりも、教室から出かけていって人と話したり、行ったことのない街を歩いたり、出かけるために電車の経路を調べたり…そういうのが本当の学びだということでした。語学堂の先生や教科書にしがみついていては学べないことがあるという当たり前のことを、学校に一生懸命通うあまり忘れかけていました。チャプチェのおいしい味付けなど検索すればいくらでも出てくる時代です。

この日の帰り、梨花女子大学と延世大学という大きな大学の重厚な建物を見学し、クラスの子たち10人ほどで昼食を食べながら普段教室ではあまり話をしたことのないいろいろな国の子たちとそれぞれの故郷や家族の話ができたことが、私にとって本当に新鮮な文化体験となったのでした。

    

 

#韓国文化体験 #語学堂留学生活の思い出