大人の韓国留学 50を過ぎた私の留学の旅思い出日記

50代で1年間韓国の大学の語学堂に語学留学しました。帰国してしばらく経ちますがあの時の気持ちを残しておきたくて書いている思い出日記です。

ソウルで見たもの ー格差ー

語学堂の新学期が始まる一週間ほど前にソウルに到着して、毎日散歩と町探検を楽しんでいました。これから一年暮らす新しい街にワクワクしながら。

 

学生街から少し歩くと、ニョキニョキニョキニョキ・・・・・・至近距離に一体何棟建っているのかと思うほどのマンション群の足元に、趣のある路地が残っていることにまず驚きました。はずれとはいえ、ソウル市内。観光や短期のホームステイで行った時には見たことのない光景でした。大都市の中に一筋だけ、生えはじめの白髪のように釜山の甘川(カムチョン)村の路地が通っている、そんな風に見えました。

人様が静かに暮らしているところに土足で踏み入るような申し訳なさもありつつ、それでも好奇心を押さえきれず、お邪魔しまーすと心の中で呟きながらその路地に吸い込まれて行きました。

ドラマで見るようなレンガやセメントの平屋の建物、沖縄を思わせる風情のある屋根瓦、緑や水色の鉄製の門、家の前に置かれたごみ回収用のバケツ、ブロック塀の上を優雅に歩くネコ。生活感のある雰囲気にここが一気に気に入ったのでした。

韓国語の勉強は実は日本でいくらでもできます。でも普通の人の普通の生活は実際どうなっているのか、それを感じたいというのが留学の目的の一つだったからです。

そうは言っても甘川村のような観光地でもないし、写真を撮るのははばかられる中、思わず一枚だけ取った写真がこれでした。

住む人のいなくなった廃屋の向こうにそびえたつ立派な教会。その左側の小ぎれいなマンション、その向こうにさらに高層のマンション建設がガンガン進んでいました。視界に入る範囲にこの格差。ここまでとは言わなくても似たような景色はこの後もいくつか見ることになります。後になって知り合った地域住民の方に聞いてみたところ、「あ~あの辺も再開発を待っているのよね、結構長い間」と教えてくれました。

どんな歴史があって、ここがこの時このような景色になっていたのか、詳しいことは私にはわかりません。ただ、まばゆいばかりの大都市や観光地だけを見ていてはわからないことがあって、それを知ろうとすることで暮らしや社会の理解に少しは繋がるのではないかと感じたのでした。

 

#韓国の格差