大人の韓国留学 50を過ぎた私の留学の旅思い出日記

50代で1年間韓国の大学の語学堂に語学留学しました。帰国してしばらく経ちますがあの時の気持ちを残しておきたくて書いている思い出日記です。

留学生活で出会った人 ー文法の先生編ー

素晴らしい先生に出会えたという点で、選んだ学校は大正解だったと思っています。

個人的に親しくしてくださった同世代の先生に直接言ってみたことがあります。

失礼な言い方かもしれないけれど、この学校の教授陣はレベルが高いと思うと。

本当に偉そうな言い方ですが、自分はラッキーだったという気持ちも込めて。するとその先生は小さい声でこうおっしゃいました。5、6級はいい先生が多いのよ、学生のレベルも上がるから、と。

5、6級のとき、担任と副担任の先生が毎日2時間ずつ、文法と読解の授業をそれぞれ担当してくださいました。私が卒業した後、日替わり方式になったようです。お互いに気分の切り替えになるという意味で私は2時間ずつ方式が好きですが、どちらにしても優秀な先生ならあまり影響ないのではないでしょうか。

5級の先生は、文法の説明や例文が実に的確で大好きでした。

授業用のPPTは級ごとに共通の教材資料があり、どのクラスでどんな先生が教えても一定のレベルは保たれるようになっているようでした。5級では韓国語を韓国語で習います。日本語はもちろん、英語で説明が入るというようなこともありません。それができるレベルでもあるはずなのですが、それにしても新しい文法を習うとき、よく似た既知の文法があると、違いを掴むのが難しいことも多くあります。日本語で説明してある文法書で予習していったとしても、結局何が違うのかを正確に掴むのは容易ではありません。

私が大好きなその先生は、例文をたくさんたくさん用意してくださり、ホワイトボードに次々投影して学生にどんどん読ませるのです。それは、考えさせるようにできている例文ばかりでした。

どんな場面で、どんな気持ちの時に、どんな相手に、どんなことを伝える時に有用な文法なのか? 書き言葉なのか、話しことばなのか。目上の人にも使えるのか。たくさんの例文を読みながら自分でそれを掴む、という頭の体操をよくさせてもらいました。

勘のいい学生は2、3文読むと、あーといって、すらすらと自分の例文を作ってしまいます。 그렇지! 先生のイキのいい嬉しそうな声。私は勘のいい方ではないし、例文を読むだけで必死なことが多かったので、さっきの例文と今度の例文の共通点は何だろう? 前に習ったあの文法と何が違う? 頭も目もぐるぐるさせながら必死で食らいつこうとしていたのを思い出します。先生から見える私は、すごい形相をしていたことでしょう。もう、必死とはこのことです。

教えてもらったことはすぐ忘れても、自分で掴んだことは死ぬまで忘れない。

お陰でたくさんの文法に適切な使い道があることを掴みました。その先生は何学期か後に別の学校に変わって行かれましたが、そんな先生から学べる学生は本当に幸せです。先生、お元気かな。

 

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