大人の韓国留学 50を過ぎた私の留学の旅思い出日記

50代で1年間韓国の大学の語学堂に語学留学しました。帰国してしばらく経ちますがあの時の気持ちを残しておきたくて書いている思い出日記です。

留学生活を支えてくれたもの ー食料調達 市場編ー

どこでもドアがあったら、帰国後も、いつもこの市場と行き来したい。

語学堂の課題レポートにこう書いたのを覚えています。

先生に「どこでもドア」(어디서나 문)が通じたのも楽しい思い出ですし、今この瞬間もこの気持ちに変わりはありません。

その市場は学校からちょうど徒歩30分ほどの私の散歩ルートにありました。清涼里市場。野菜、果物、鮮魚、精肉、スユク・・・とそれぞれの専門の通りが確か9つほど合わさって、歩いているうちいつの間にか隣の駅の薬剤専門京東市場までたどり着いてしまうほど巨大な巨大な伝統市場です。

近頃、若い人はマートやコストコのような郊外の倉庫型店舗を好むため、伝統市場は消えつつあるという記事をネタにしたレポートだったと記憶しています。1時間ほど街を散歩していれば、どこででも大抵は小さな伝統市場を通りかかることになるほど、ソウルにもまだあちこちに小さな市場は残っていています。しかし、観光地化に成功している広蔵(クァンジャン)市場や望遠(マンウォン)市場などを除けば、何とか細々と営業している小さな小さな商店街、風前の灯火という印象。ご高齢の方がご高齢の方のために何とかやっているというか。そんなちょっと寂しい感じを受けることが多かったものです。

それに比べると清涼里市場は客層の高齢化は否めないものの、かなり活気があり、何でも手に入る、私にとっては巨大なマートより魅力的な食材庫でした。毎週足を運んでいたため、一人分だけを買う方法も次第に身につけました。何しろコシウォンの部屋の冷蔵庫はビジネスホテルサイズなので、とてもたくさんは買えないのです。

 

よく買っていたのは果物。せっかく1年いるのだからと思い、旬の果物をよく観察しては手ごろなものをおやつにしていました。一番のお気に入りは葡萄。房から外れたバラの粒が赤いプラスティックのカゴにひと盛り1,000~2,000ウォン。安い。種なしで皮までおいしく食べられる品種もあり、黄緑や紫など毎週交互に買ってはドラマでよく見るあの黒いビニル袋に入れてもらっていました。高級贈答用の化粧箱に入ったシャインマスカットをひと房1万5,000ウォンほどで売る店の横に、私のような庶民用のバラ葡萄を売る店。このギャップも魅力です。ほかには、蜜柑、柿、林檎、苺、バナナ・・・果物は重いのでたくさん買いすぎると帰り道、腰が痛くなって大変というのも学びました。お婆さんが引いているあのカートが欲しかったです。

次に野菜。生で食べられるもの中心にサンチュ、ミニトマトブロッコリーなど。根菜は調理に時間がかかる上、重いので避けていました。

タンパク質は主にスユク、ゆで肉です。サンチュでくるんでポッサム風にして。買うときに「頭」を選ぶと安くてコラーゲンが多そうな部位をくれ、お手頃です。帰国してから親戚に美容皮膚科に通っただろうと言われるのはこのコラーゲンのお陰かもしれません。スユク専門通りで乳酸飲料をおまけにくれる店を見つけてからはそこの常連になりました。

 最後にナッツと干し小女子(小さいイワシ)。これもおやつ代わりに勉強しながらずっとつまんでいた気がします。今思い出してみても日本にいるよりずっと健康的な食生活。それにパッケージに入った加工品は一つもありません。黒いビニル袋の乱用を除けば、地球にやさしく健康的な伝統市場。

現金を握りしめ、今すぐカゴ盛りの葡萄を買いにいけるドアはどこかにないでしょうか。

 

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